Home > ブログ > 作業環境をシリコンMacに更新した

ブログ

作業環境をシリコンMacに更新した

最近は自宅でのリモート作業がメインで作業環境としてはiMac 2017を使っていたのだが、とうとうMacOS Sonomaでは対応機種から外れてしまった。 そろそろ買い替えどきかということでいくつか候補を探したのだが、今はiMacは27 inchモデルがないので、Mac Studioに買い換えた。

ここ数年、何度か買い替えようとは考えたのだが、CPUがIntelからARMになるので色々と面倒かと思い躊躇していた。ここに、環境の切り替えで面倒だったところなどをまとめておく。同様にIntel Macで粘っている人の参考になれば。

前提としての普段の作業環境

主にWebシステムの開発業務で使用。言語はPHPが多い。

Mac上に直接環境を構築することはなく、ほとんどの作業はVMware Fusion Pro上にLinux Desktop(主にFedora)をインストールしてその中に環境を構築して作業している(*1)。VM(仮想マシン)なら複数バージョンの環境を構築できるので私にとっては便利なのだ。

VMをいくつか動かすのでメモリは多い方がいい(iMac 2017では64GBだった)。

Linuxデスクトップ上でよく使うエディタは以下のとおり。

  • Emacs
  • PhpStorm等のJetBrainsのIDE
  • VSCode

LinuxならARMも対応しているしx86_64でrpmで提供されているものならARMでも揃っているだろと楽観的に考えていたらちょこちょことないものがあった。

ARM Linux上になくて困ったもの

ARM Linux上で動かなくて困ったのは以下のもの。

JetBrainsのToolBox

PhpStorm等のJetBrainsのIDE自体はARM64 Linuxでも動作するが、ToolBoxアプリは存在しない。とは言っても各IDEを個別にダウンロードしてインストールすればいいだけなので大きな問題はない。

※ ToolBox App 2.3からARM64 Linux版もサポートされたので、2024.5現在は問題なく使用できる。

FedoraのMate Compiz

先にVM上にFedora Linuxのデスクトップをインストールしていると言ったが、Gnome3にどうにも馴染めなくて、これまではGnome2互換のユーザインターフェースを提供しているMate Compizをインストールしていたが、これもARM64ではISOイメージが提供されていない。あきらめて、標準のFedora WorkstationをインストールしてGnome3を使うことにした。少し重いような気もするがようやく慣れてきた。

Chrome

Chromeもrpmが提供されていない。これはChromiumで代用。

Edge

最初、x86_64 LinuxでEdgeが動作するようになった時は驚いたものだが、ARM64ではrpmが提供されていない。これは、Windows VM上のEdgeで代用。

Ubuntu Desktop

Ubuntu Desktopもたまに使うのだが、これもARM64用のISOイメージは存在しない。 ただし、Ubuntu Serverをインストールしてから自分でデスクトップをインストールすることでデスクトップ化することができる。手順は後報。

Windows

インストールできなくて困ったというわけではないが、一応メモがてら記録を残しておく。

VMware FusionならVM作成時にARM版のWindows11をインストールすることができる。 Windows10もインストールする方法があるのかもしれないが、特に10にこだわる理由もないため深追いはしていない。

ARM64 Windows11でどれだけのアプリが動作するかはあまり詳しくはないが、とりあえずはOfficeが動作すれば個人的には問題はないので今のところ困ってはいない。

他にもあったかもしれないがだいたいこんなところ。

ということで、足りないものがいくつかあったが代替手段もあり、とりあえず環境の移行は問題なくできた。 Intel CPUならいつも通りVMをコピーしてくればよかったのが、今回は環境を再構築する必要があったので面倒ではあった。

ただ、Intel Mac上に作成した古いVMを使いたい場合があるので、しばらくはIntel Macを併用する。

移行してよかった点

ベンチマークマニアではないので、スコアを計測したりはしないがやはりかなり速いようだ。

iMac 2017は4コアのintel Core i5だったが、今回購入したMac Studioでは12コアのM2 Max。VMにより多くのCPUを割り当てることができる。

iMac 2017上の2コア割り当てのVMでPhpStormのCode Inspectionが20分程度かかっていたものが、Mac Studio上の4コア割り当てのVMで5分足らずで終わるようになった。休憩している暇がない。

おまけ - シリコンMacのVMware上にUbuntu 22.04 Desktopをインストールする手順

VMware上にUbuntu 22.04 Desktopをインストールした時の手順を簡単にまとめておく。

まず https://ubuntu.com/download/server/arm からUbuntu ServerのISOイメージをダウンロードしてインストールする。

起動後にデスクトップをインストールする。

$ sudo apt update
$ sudo apt install ubuntu-desktop

これでIMEとかもインストールされる。再起動後にSettingsのRegion & Language設定から日本語設定を行う。

vm-toolsをインストールする。これで、VM間のコピペができるようになる。

$ sudo apt install open-vm-tools-desktop

UbuntuServerではNetworkManagerではなくsystemd-networkdでインターフェースが管理されている。通常のデスクトップインストールと同じようにNetworkManagerにしたい場合は以下のようにする。

$ sudo apt install network-manager
$ sudo rm /etc/netplan/00-installer-config.yaml

/etc/netplan/config.yamlを作成

network:
    version: 2
    renderer: NetworkManager

再起動。sudo netplan applyでもいいかも。
うまく切り替わっていれば、画面右上のタスクトレイ?にネットワークアイコンが表示されているはずだ。

Ubuntu Desktop on ARM64
図1 Ubuntu Desktop on ARM64

(*1) VM(仮想マシン)上での作業がメインのため、別にホストマシンはMacである必要はなくWindows/LinuxホストにすればIntel CPUでいけたのだが、既存のiMac環境と同じようにしたかったのでMacを選択した。

投稿日:2024/03/10 20:37(最終更新:2024/05/18 21:20)

タグ: Linux 与太話

Top

アーカイブ